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手袋

手ぶくろを買いに

きつねが手袋を買いに行く物語

「手ぶくろを買いに」は、小学校の教科書にも載っているほどの有名な物語であり、知っている人や小学校の頃に教科書で読んだという人もいるでしょう。
お話の内容は、きつねの親子と人間の交流の物語です。

ある時、母きつねは冷たい雪で冷えた子ぎつねの手を見て、毛糸の手ぶくろを買ってあげようと思います。
しかし母きつねは、昔街へ出かけて人間に怖い思いをしたことを思い出し、足がすくみます。

そこで母きつねは、子ぎつねを街へ行かせることにしました。
母きつねは、子ぎつねの片手を人間の子供の手に変身させ、お店に行ったら人間の手の方を出すようにと言い聞かせます。
そうして子ぎつねは街まで手ぶくろを買いに行きますが、お店に入ると、子ぎつねはお店の照明が明るすぎて驚き、きつねの方の手を出してしまいます。

お店の主人はそれを見て、きつねの手だとすぐにわかりますが、持っていた銅貨が本物であることを、子供用の手ぶくろを持たせてやります。
母きつねの元に返った子ぎつねは、人間は怖くないと母きつねに伝えます。
それを聞いた母きつねは、本当に人間は怖くないものなのかと、不安に思いつぶやくのでした。

母が子供にどのように接するか

この絵本の物語は、人間は怖いと思いながらも街へ子ぎつねを送り出す母きつねの気持ち、どきどきしながら買い物に行った子ぎつねの気持ち、きつねだとわかっていながらも手ぶくろを売ってあげる店主の気持ちと、それぞれの気持ちが伝わってきます。
きっと絵本を読むと、美しいイラストに柔らかい雰囲気があり、暖かさを感じることでしょう。

この物語は、きつねと人間という2つの生き物の心情を表すお話ですが、人間世界でもよく似た話は沢山あります。
人間は本当は怖い物だと子供に教えてきたけど、もしかしたらそうでないとのかもしれないという母きつねの心情もよく伝わり、絵本を読むと親として子供にどのように人間社会を教えて言えばいいか考えさせられます。

もしも小さい子供に親御さんがこの絵本を読んであげると、その後は母きつねの心情を思い出す場面がいくつも出てくるでしょう。
子供は成長と共に活動範囲も広がっていき、そのような心情が当てはまる場面も多く出くわします。
親も子供と一緒に体験しながら、考えて前進していけばいいと、この絵本は言っているのかもしれません。
特に一人っ子の子供を持つ親だと、母きつねの気持ちが痛いほどわかるかもしれません。

この絵本は、美しく独特で心地よい文章表現も魅力の1つです。
絵本の中で使われてている美しい日本語を、是非とも子供に教えてあげてください。
子供が絵本を読んでもらって内容を聞くと、きっと店主はやさしい、子ぎつねは可愛いなどという、率直な意見が聞けるかもしれません。