パネルシアターとは?
布を貼ったボードを背景にして、人形や絵、文字などのパーツをつけたり外したりして、一つの物語を作るパネルシアター。
1973年に古宇田亮順氏が考案した、パネルを使った遊びです。
子どもたちが見て楽しむだけでなく、参加することもできるので、集中力や観察力を養う保育法として注目されています。
テーマは物語のみにとどまらず歌やクイズなど、何でもかまいません。
パネルの中の光景が、つぎつぎに変わっていく不思議さに、子どもたちは夢中になってくれます。
パネルシアターの魅力は、簡単に作れることです。
また、パネルにパーツを貼ったり外したりすることで画面を自由に動かせること、パネルの両面を使うことで、瞬時に雰囲気を変えて子どもたちを引きつけることができること、さまざまな仕掛けを使って驚きを演出できることも魅力です。
さらに、パネルシアターを演じながら、子どもたちに問いかけるなど、いっしょに参加できるので意欲的に気持ちを伸ばすことができます。
パネルシアターの基本的な作り方
では、パネルシアターの基本的な作り方をみていきましょう。
まず、材料をそろえます。
必要な材料は、コットンのフランネル生地です。
パネルシアター用のネル生地として販売されているので、簡単に手に入ります。
そして、パーツ用の紙も用意しましょう。
Pペーパーとして市販されているので、それを使うのもおすすめです。
さらに、100センチ×60センチ程度のベニヤ板やダンボールなど、パネルとなるものも用意します。
このほか絵具や黒の油性ペンなどの筆記具、ガムテープも必要です。
これらの道具がそろったら、まずはパネルを作りましょう。
パネルをフランネルの生地で覆い、ガムテープなどで固定します。
ネル生地は白を使うのが一般的ですが、夜などが舞台のときは黒い布で覆うのも効果的です。
パネルが出来上がったら、次にパーツを作ります。
紙に登場する動物や背景、文字などを書き、絵の具で色を塗り、黒の油性ペンで縁取りをして、縁取りどおりに切り取ります。
これで、基本のパネルシアターは準備完了です。
とても簡単ですね。
でも、これだけでは物足りません。
パネルシアターの効果を上げるための仕掛けも必要です。
主な仕掛けには、次のようなものがあります。
表と裏の貼り合わせ。
ボードの表面と裏面に色違いの布を貼り、2つの背景を作ります。
ボードを裏返せば即座に背景が変わるので、場面転換などに効果的です。
糸止めという仕掛けもよく使われます。
動かしたい人形の胴体としっぽ、手、首などを別々のパーツとして用意して糸でとめて、しっぽや手、首などを動かして表情を出します。
切り込みポケットという仕掛けもあります。
一つの絵に切り込みをいれて、そこに別の絵を入れて、表情を豊かにします。
たとえば鍋に野菜を入れる、洋服のポケットにお菓子を入れるなど、さまざまなシーンで使えます。
引っ張りという仕掛けも、子どもたちを驚かせることができて効果的です。
これは複数の絵を糸でつなぎ、糸を引っ張り出すことで動きをもたせる手法です。
たとえば草の茂みから、何匹ものウサギがぴょんぴょん飛び出てくるシーンなどに使えます。
You Tubeでも、パネルシアターの実演の様子が数多くが公開されています。
作成や演出のコツを学ぶために、参考にされてはいかがでしょうか。