事件の謎を解明しよう!
いつの時代も子どもは探偵が大好き!
謎をあざやかに解き明かし、犯罪を解決する姿がカッコイイですね。
名探偵シリーズもミルキー杉山という探偵が大活躍する、人気シリーズです。
そしてこのシリーズの特徴となっているのが、お話が事件編と解決編にわかれていることです。
この構成によって、子どもたちが自分で事件について考えることができ、お話に参加できるようになっています。
自分で謎を解決するためには、お話を注意深く聞いたり、挿絵をすみずみまで見たりする必要があります。
このため、集中力がつき、考える力を養うという側面が強いのも特徴です。
飽きずに読める工夫が満載
名探偵シリーズの第1作は、もしかしたら名探偵というタイトルです。
1冊に3つのお話が収録されており、美術館から絵が盗まれたり、借りた本を返さない人が登場したり、宝石泥棒が残した暗号を解き明かしたりと、お話ごとに謎を解く推理の方法が異なるっているのが特徴です。
このため、それぞれのお話で、どういった推理をして、どのように謎を問いていくのかがポイントとなっています。
お話ごととに謎解きの視点が変わるので、飽きずに楽しめますし、子どもたちの考える力を伸ばしてくれる絵本といえるでしょう。
主人公のミルキー杉山は、作者と同じ杉山という名前なので、モデルは作者なのかな?と思わせてくれるのも遊び心がありますね。
皿回しが特技で、アメリカの探偵映画を見てそれに憧れて探偵になったミルキー杉山氏。お金に目がくらむなど頼りないところもありますが、まじめで好感のもてる好人物です。
あっと驚く謎解きを披露することもありますが、今は別れて暮らしているしっかりもので頭がいい妻に助けられることが多いのも、人情味があって独特の雰囲気を作り出しています。
このほかにも力が強く火炎噴射が特技の探偵・ボウズすすきだや無口な探偵・ツルまつの、かっこいい女泥棒のミス・ラビット、変装が得意な名泥棒の怪盗ムッシュなど、魅力的な登場人物が脇を固めます。
小学生向けの本ですが、見開きになっており、絵と文章がわかれているので、保育園の子どもたちでも理解しやすい構成です。
さらに、事件編の後に回答編に読み進む前にドアノブのページが用意されており、ここでいったん立ち止まって、事件の謎を自分で考えるようになっています。
ここで、子どもたちといっしょに、事件の謎を解くカギを探して、謎ときを考えるのも楽しい時間です。
ミルキー杉田よりも先に謎を解決できたら、子どもたちは大得意になるのではないでしょうか。
著者の杉山亮氏は、1976年から保育士として保育園などに勤務した後、手づくりのおもちゃ屋・なぞなぞ工房を主催する遊びの達人です。