怠け者でわがままな王様が主人公!
王様シリーズは別名、ぼくは王さまシリーズともいいます。
作者は寺村輝夫さん、第1作が発表されたのは1959年です。
半世紀以上にわたって読みつがれている名作で、おじいちゃん、おばあちゃん世代からパパ、ママ世代、そして今の子どもたちと3代で楽しく読んでいるというご家庭もあるかもしれませんね。
ぼくは王さまシリーズにの主人公は、とある国の王様です。
王様が登場する物語は中世など昔話形式のお話が多いのですが、このシリーズは現代が舞台です。
したがってテレビもありますし、コンピュータもあります。
そして主人公の王様は、なまけものでわがままで食べるのが大好き。
特にたまごやき(目玉焼き)が大好きという、なんとも王様らしくないユニークな性格の人なのです。
第1作のぞうのたまごのたまごやきでは、王様に待望の王子様が誕生します。
王様はそのお祝いにと、国中の人が食べられるようにゾウの卵を使ってたまごやきを作るよう命令します。
しかし、ゾウは卵を産みませんよね?
王様の無理難題にあたふたする大臣たちの姿などが、とてもユーモラスかついきいきと描かれています。
このほかにも王様がコックさんになって活躍?する王さまレストラン、鶏小屋にギュウギュウ詰めにされているニワトリが可愛そうで、カギを開けてあげて大騒動になるおしゃべりなたまごやきなど、ユニークなお話がいっぱいです。
いきいきと活躍する登場人物たち
ぼくは王さまシリーズの魅力は、主人公の王様をはじめユニークな登場人物がいきいき描かれていることと、ナンセンスなおもしろみに溢れていることだと思います。
子どもたちはナンセンスなお話が大好きです。
読み聞かせをすると子どもたちは、空想の世界で、王様の国にピューッと飛んでいっちゃうんですよね。
これは物語の登場人物が、魅力的な証拠ではないでしょうか。
この王様は一国の主でありながら、王様らしからぬ行動ばかりとっていて、とても身近に感じられます。
ずる賢い一面もありますし、クスッと笑ったり、続きがきになったりと、お話の世界に引き込まれてしまいます。
そして、和歌山静子さんの絵もお話にぴったり。
見ているだけで楽しくなります。
ぼくは王さまシリーズは、絵本というより児童書という枠組みになるかと思います。
保育園児には読み書きせという形で触れさせることができますが、小学生になると自分ひとりで読めるようになりますし、繰り返し読む子が多いと聞きます。
かくいう私も小学生低学年のときに、何度も繰り返し読んだ覚えがあります。
子どもが本好きになるきっかけとして、ぼくは王さまシリーズはぴったりではないでしょうか。
奇想天外なお話がシリーズで続々と展開され、物語の魅力をたっぷりと伝えてくれます。